2012年12月23日日曜日

尾鷲歳時記(100)

冬至は春の前触れ
内山思考 

冬籠どの時代まで戻ろうか 思考

一年で一番遅い夜明け

















今日(21日)は冬至。一年で最も昼が短く、夜が長い日である。僕が毎年この日を待つのは、次の日から少しずつ日照時間が増えるからである。言わばささやかな春の前触れの日と言える。別に夜が嫌いな訳でなく、明けるのが遅く暮れるのが早いから冬は好きになれないのだ。

昼は長い方がいい。とにかく、太陽が北半球に沢山当たる季節がやって来ようとしているのは嬉しい。で今日は何をしたかというと、まず朝の目覚めが、まだ薄暗い6時40分、これは10分の寝坊である。もぞもぞと起きて布団をたたんで、うがい手水に身を浄めたあと台所へ。10分の寝坊は朝刊を読めないというハンディを既にもたらしている。炭焼に行く日なので、弁当をこしらえなければならない。僕は他人に弁当を作って貰うのが苦手だ。

何故なら、永年朝食抜きで昼と夜に「がっつり」食べる生活だから、自分の好みの質と量を楽しみたいのである。並みの弁当は蓋を開けると悲しくなる。タイマーでさっき炊けたばかりの熱々ご飯をタッパーウェアへいっぱい詰める。これで二合。その上に乗せるおかずもほとんど決まっていて、真ん中に梅干し、左手前に漬け物、右手前に佃煮、左奥に尾鷲名物鰹の生節(生と言っても燻製)を包丁で削って醤油をかけたもの。右奥には塩と砂糖少々で味付けした玉子焼きである。時には、沖縄から届いた缶詰のランチョンミートのスパムを炒めることもあり、その日は昼がいつもにも増して待たれる。

炭窯からの冬景色












ポットに熱いお茶を入れている頃、娘が二階から下りて来て、「おはよー」「オハヨー」その後が息子、出勤の遅い妻はまだ寝ている。僕は7時10分に家を出る。あー、新聞読みたかったな。などと思いながら運転すること25分、炭窯に到着して肉体労働の始まり始まり。帰宅4時、新聞配達4時半あたりはもう暮れかかっていて、これが嫌なのだ。でも冬至だから、今夜ゆず風呂へ入ってさあ、明日から春へちょっとずつ前進。