内山思考
米を担ぎ冬の銀河を渡りけり 思考
近所の金剛寺の仁王さん |
「カリカリ」「コリコリ」「バリバリ」「ボリボリ」 物を食べる時、歯ごたえもまた「味」のひとつだと言えよう。 食欲を無上の友として人生を過ごして来た割には、歯の管理があまりよくなく、徐々に、噛み締められる範囲が狭くなって、気がつけば利き顎?でない左側でほとんど咀嚼している。 もうその部分が駄目ならいろいろな珍味、ご馳走を思う存分味わえない、という恐怖にかられ、歯磨きの方法を変えることにした。
半世紀以上磨いていた歯を磨かず、歯茎を磨くようにしたのである。最初は痛くてゆっくりブラシを当てていたが、しばらくすると相当強く擦っても耐えられるようになった。今では結構歯の土台もしっかりしている。 しかし、世の中には歯の丈夫な人がいるもので、沖縄の友人S子さんは七十七才にして三十二本すべて揃っているそうだ。若々しい彼女は生まれてこのかた「歯痛」を経験したことがないというから本当に羨ましい。
でも、最初に沖縄に行った時、那覇の街を車で走っていて歯医者がとても多いのに気づいて、その事を運転手さんに言うと、 「それは黒砂糖を食べるから」「エエッ」「というのはウソです」などとやり取りをしたことがある。真相は如何に。 もう一人、八十八才の知人Gさんも驚くなかれすべて自分の歯だ。
尾鷲神社の狛犬 |