隅田川東岸/回向院
文:山尾かづひろ 挿絵:矢野さとし
回向院の力塚 |
都区次(とくじ):それでは吉良邸跡の本所松坂町公園から西へ200メートルの回向院へ行ってみましょう。
時津風部屋の看板鳥わたる 小野淳子
都区次:この回向院と吉良邸跡は近いのですが、討入りのとき回向院は何か影響を受けたのですか?
江戸璃:赤穂浪士が吉良上野介の首を打ち取り、吉良邸を出て回向院に来たのよ。門番を叩き起し「寺内に入り休息したい」と伝えたところ、住持がやってきて「寺法により日の入りから日の出まで檀家と亡者(死者)以外は通さないことになっている。どこかへ立ち退いていただきたい」ということで、寺内に入れず泉岳寺へ向かうこととしたのよ。両国橋を渡らずに過ぎ、川下の永代橋を渡って泉岳寺へ行ったのよ。というわけで次回は両国橋へ行くわよ。
回向院山門 |
冬の日の肩より暮れし力塚 長屋璃子(ながやるりこ)
時雨るるや明暦大火の供養塔 山尾かづひろ