2012年7月22日日曜日

俳枕 江戸から東京へ(81)

愛宕山の周辺(その3)栄閑院猿寺
文:山尾かづひろ 

猿寺の高麗門













都区次(とくじ): 西久保八幡のつぎは杉田玄白の墓のある栄閑院猿寺(えいかんいん・さるでら)へ行きましょう。
江戸璃(えどり): それでは国道1号の桜田通りを渡って東へ行くわよ。
都区次: 見えてきた冠木門がそうですね。
江戸璃:この門が味があってね、私は好きなのよ。遠目には冠木門だけれど、控柱があって、本柱をつなぐ貫に屋根があって、高麗門の形式になっているのよ。この寺のメインは杉田玄白の墓だけれど、彼の業績については「解体新書」で有名すぎるぐらい有名だから、私が今さら言うことはないわね。

青銅の高麗門に梅雨雫 大森久実

都区次:猿寺とは変わった名前ですが、どういう訳ですか?
江戸璃: 寛永(1624~44)のころ猿回しの泥棒が住職に改心させられ、猿を寺に預けて諸国行脚に出てね。猿が人にかわいがられたことからそう呼ばれたそうよ。

杉田玄白の墓












雲の峰玄白が墓ずんぐりと 長屋璃子(ながやるりこ)
玄白の功績思ふ梅雨晴間 山尾かづひろ