2013年6月16日日曜日

俳枕 江戸から東京へ(128)

山手線・日暮里(その28)
根岸(上根岸82番地の家⑬「子規庵」)
文:山尾かづひろ 

久松定謨













都区次(とくじ): 子規は明治28年の3月3日より広島入りして1ヶ月は何も用事がないので、毎日、芝居小屋に「娘の手踊」を見にいった。とのことですが、もっと他に「子規らしい」ことは無かったのですか?

 藩主より太刀拝領梅雨晴間  熊谷彰子

江戸璃(えどり): 旧松山藩の藩主の久松家の当主・久松定謨(さだこと)が近衛師団長の北白川宮能久(よしひさ)親王の副官として出征するため広島にいたので、子規は久松定謨に挨拶に行って、写真のとおり太刀を拝領してるわよ。
都区次:子規は明治になっても旧藩主を奉っていたのですね。
江戸璃:昔のしきたりに沿ったというより、この久松定謨という人が旧藩子弟のための常盤会という給費制度を作ったりといった人柄に呼応したものと思うわよ。
都区次:ところで、今日は日暮里からどこへ行きますか?
江戸璃:今日は「父の日」だから、何となく浅草の「神谷バー」で生ビールと電気ブランを飲まない?

太刀拝領の子規













父と子と男二人のビールかな   長屋璃子(ながやるりこ)                       
方言のぶつかり合ってビールかな 山尾かづひろ