2013年11月17日日曜日

俳枕 江戸から東京へ(150)

山手線・日暮里(その50)
根岸(上根岸82番地の家(34)「子規庵」)
文:山尾かづひろ 

地蔵坂









都区次(とくじ):それにしても、この辺はお寺が多くて、ちょっと面白そうですね。案内してくれますか?

人呼んで谷根千界隈(やねせんかいわい)冬紅葉  大森久実

江戸璃(えどり):この辺は谷中、根津、千駄木の頭文字をとって「谷根千」と呼ぶのよ。前回は西日暮里駅から西日暮里公園を見たわね。今回は西日暮里公園から南に延びている諏訪台通りある浄光寺を訪ねるわよ。
都区次:それでは、また道灌山通りに出てすぐの歩道橋を行きますね?
江戸璃:訪ねるのが浄光寺で、浄光寺にある地蔵様の関係で地蔵坂と名の付けられた坂なので「こだわり」をもって今回は地蔵坂を行くわよ。坂に入るのには駅の東側に行くわよ。目印のNASスポーツプラザのビルに突き当ったら右に曲るわよ。そしてJRの線路を潜るわよ。
都区次:「諏訪坂ガード」と書いてありますがガードというよりはトンネルですね。地蔵坂ではなくて諏訪坂ではないのですか?
江戸璃:諏訪坂はJRが勝手に付けた名前よ。
都区次:昼間でも女性ひとりでは物騒な場所ですね。東京にこんな場所があったとは驚きです。トンネルを出ると線路沿いに階段状の坂が続いていますね。
江戸璃:地蔵坂を上り切った所が諏訪神社でこの辺の総鎮守なのよ。欅や銀杏の大樹が元久二年(一二〇五)創建という古さを物語っているわね。これから行く浄光寺は諏訪神社の別当寺なのよ。

諏訪神社










夕刊の届く十五時日の短 長屋璃子(ながやるりこ)
山茶花に夕日大きく立話 山尾かづひろ