2011年1月2日日曜日

私のジャズ(3)

ジャケットで買う
松澤龍一

MINK IN HI-FI(RCA Victor LPM-1533)より












昔のレコードはジャケットも、製作者の意図や主張を感じさせてくれるものが多かった。今のCDと大きさも違い、厚めの紙で出来ているため、色々な趣向を凝らすことができたのだろう。このジャケットを見た時はギクッとした。この下卑さ加減、胡散臭さ、一体これは何だ、衝撃的だった。今から30年以上前、確か新宿の古レコード屋、コタニかオザワだったと思う。内容も確かめず衝動買いをしてしまった。Monique Van Voorenと言う女性歌手のMINK IN HI-FIと題されたアルバムである。Monique と言う歌手はベルギー生まれでベルギーのフィギュアスケートのチャンピオンになり、その後アメリカに渡り歌手としてデビューしたとジャケットには書いてある。聴くと英語やフランス語、あるいはそのチャンポンで唄ったり、シャンソンもあったりジャズ風もあったりと、案の定胡散臭さ、この上も無いものであった。その中で一曲、My Manを唄っている。元々はシャンソンで、ビリー・ホリデイが唄い、彼女の持ち唄になったものである。Moniqueの唄うMy Manはひどい。ビリーホリデイの名唱を冒涜するものである。思わず窓から投げ捨てそうになる。でも、このジャケットは捨てがたい。
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追加掲載(120104)
あった! モニカの動画。やっぱり、スケート選手?