2011年8月28日日曜日

俳枕 江戸から東京へ(34)

深川界隈/深川不動堂
文 : 山尾かづひろ    挿絵 : 矢野さとし 

 
深川不動堂














都区次(とくじ): 次は深川不動へ行ってみましょう。深川不動は成田山新勝寺の東京別院ということですが、前回の富岡八幡宮の別当寺の永代寺との関係はどのようなものですか?
江戸璃(えどり): 永代寺は神仏混淆による富岡八幡宮の神宮寺でね、成田山は元禄16年(1703)以来「出開帳」をその永代寺で行っていたのよ。明治維新の神仏分離令で永代寺が廃寺になると、跡地に独立の不動堂をとの声が成田山の信者の間からおこり明治14年6月1日に一堂を建立して東京別院としたのよ。本尊は成田山新勝寺の不動尊と同身一体だ。ということで「お膝元だけあって、深川のお不動さんの方が御利益がありそうだ」と成田付近のものまで参詣にくるようになって、今のように大発展しちゃったのよね。
都区次: それにしても凄い人ですね。
江戸璃: 最近は金運上昇のパワースポットと噂されているから、尚更よね。

不動尊露座仏







 


寒鴉不動の目玉恐れざる  長屋璃子(ながやるりこ)
ほら貝に始まる御護摩寒最中  山尾かづひろ