2011年6月26日日曜日

俳枕 江戸から東京へ(26)

浅草界隈/金竜山浅草寺
文:山尾かづひろ 挿絵:矢野さとし


雷門









都区次(とくじ): それでは東京メトロの銀座線で上野から浅草へ行ってみましょう。江戸の初めから門前町として変わらぬにぎわいをみせるのが浅草です。まず「雷門」から見てみましょう。
江戸璃(えどり): 向って右の間に風神像、左の間に雷神像を安置することから「風雷神門」というけど、「雷門」の通称で通っているわね。
都区次: この「雷門」から「宝蔵門(仁王門)」までの300メートルをまっすぐ伸びた参道が「仲見世」です。ここで江戸璃さんの示したい俳句的な場所はありますか?
江戸璃: 「宝蔵門」の右の先に鐘が見えるわね。あの鐘は江戸時代の「時の鐘」の一つで、松尾芭蕉の句の「花の雲 鐘は上野か浅草か」で有名な鐘なのよ。
都区次: それでは「宝蔵門」を出ていよいよ本堂です。
江戸璃: 御本尊は、一寸八分の観世音菩薩とのことだけど、それにしては大きな本堂よね。御本尊は小さいけど、御利益は大きいのよ。しっかりと拝んでゆきましょう。
浅草仲見世










墨堤の寒さの端の浅草寺  長屋璃子(ながやるりこ)
仲見世のみな早仕舞ひ梅雨の月   山尾かづひろ