2012年4月22日日曜日

俳枕 江戸から東京へ(68)

古川流域/三田寺町(その1)
文:山尾かづひろ 

普連土学園














都区次(とくじ): 慶応大学の構内を廻りましたが、次はどちらへ行きますか?
江戸璃(えどり): 三田の寺町へ行くのよ。まず、慶応大学の正門を出て桜田通りを横断するわよ。南へ上がってゆく安全寺坂という細い路地が見えるでしょ。この路地は崖際を抜けてゆくもので、下の方には大松寺や長延寺などの寺と墓地が見えてくるわよ。崖上にはミッション系の女子学園の普連土学園があって、目印になるわね。
都区次: それにしても、これは名前の通りの寺町ですね。
江戸璃: ほとんどが八丁堀(現在の中央区内)にあったお寺が、江戸城の最終的な拡張にともなって移転させられて、大挙転入してきたのよ。
都区次:寺の移転からみても、半端な江戸城の拡張ではありませんね。
江戸璃: 寛永11年(1634)の武家諸法度改正で、参勤交代制が確立されて、大量の大名屋敷を必要としたためと言われているわね。
安全寺坂










囀や校舎かがよふ坂の上 長屋璃子(ながやるりこ)
寺町の隅のすみまで花の塵 山尾かづひろ