文:山尾かづひろ
日暮里駅 |
都区次(とくじ): 子規と言えば日暮里・根岸の子規庵と、まるで連想ゲームのように反応したくなるのですが、常盤会宿舎にはいつまでも居たわけではありませんよね。
江戸璃(えどり): 明治24年12月に駒込の下宿に移ったのよ。
忙(せわ)しくも転居をしたる十二月 小熊秀子
江戸璃: ただし2月には根岸に転居しているのよ。だから駒込に居たのは3ヶ月間よね。
都区次:そもそも費用の安い常盤会宿舎を出たのはどういう訳ですか?
江戸璃:本の数が増えちゃって、常盤会宿舎では手狭になっちゃったのよ。
都区次:それにしても3ヶ月で根岸へ転居するとはどういう訳ですか?
江戸璃:これには正岡家の経済的事情が絡んで来ているのよ。現地の日暮里・根岸に行ってから話をしたくなったわ。山手線で日暮里へ行くわよ。
都区次:小腹が空きましたね。着いたら羽二重団子を食べませんか。
江戸璃:いいわね。
羽二重団子 |
芋坂の団子を買ひにうつた姫 長屋璃子(ながやるりこ)
煌として芋坂橋の冬灯 山尾かづひろ