2012年12月9日日曜日

俳枕 江戸から東京へ(101)

三田線に沿って(その16)正岡子規、常盤会宿舎を出る
文:山尾かづひろ 

日暮里駅









都区次(とくじ): 子規と言えば日暮里・根岸の子規庵と、まるで連想ゲームのように反応したくなるのですが、常盤会宿舎にはいつまでも居たわけではありませんよね。
江戸璃(えどり): 明治24年12月に駒込の下宿に移ったのよ。

 忙(せわ)しくも転居をしたる十二月 小熊秀子

江戸璃: ただし2月には根岸に転居しているのよ。だから駒込に居たのは3ヶ月間よね。
都区次:そもそも費用の安い常盤会宿舎を出たのはどういう訳ですか?
江戸璃:本の数が増えちゃって、常盤会宿舎では手狭になっちゃったのよ。
都区次:それにしても3ヶ月で根岸へ転居するとはどういう訳ですか?
江戸璃:これには正岡家の経済的事情が絡んで来ているのよ。現地の日暮里・根岸に行ってから話をしたくなったわ。山手線で日暮里へ行くわよ。
都区次:小腹が空きましたね。着いたら羽二重団子を食べませんか。
江戸璃:いいわね。

羽二重団子










芋坂の団子を買ひにうつた姫 長屋璃子(ながやるりこ)
煌として芋坂橋の冬灯 山尾かづひろ