内山思考
伝説に鬼は欠かせず力餅 思考
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昼食はムーチー |
1月27日(旧暦12月8日)は「鬼餅(ムーチー)の日」である。沖縄ではこの日、餅を月桃の葉に包んで蒸した粽を食べ無病息災を願う。いわゆる鬼やらいである。前日のマーケットには、月桃のいい匂いを漂わせた沢山の鬼餅(力餅とも言うらしい)が並び、ほとんどの買い物客がカゴにそれを入れて行く。
外見は葉の緑一色だが、中は白、黒糖、紅(紅芋)、緑(ヨモギ)などがありいずれも甘い。でもひろこさんに言わせると、砂糖を入れるなんて最近の風潮で、何も入れない白餅を砂糖やきな粉につけるのが本来の食べ方なのだそうだ。これ、同じように見えて実は違って、味を自分で調整出来る利点がある。たとえば、刺身の上から醤油をかけるのと、小皿に入れた醤油に刺身をつける差とでも言おうか。
さて内山夫婦も郷に従い鬼餅を買って来てレンジでチンしたら、それでなくても柔らかな餅が葉っぱに糊状にくっ付いて難儀した。翌日、散歩の途中で行き着けの喫茶店のお姉さんに聞くと、出来立てより1、2日置いた方が葉離れがいいよ、レンジも少し、とのこと。そして帰り際に「内山さん、これあげる」とプレゼントされた老舗の鬼餅の袋を下げて、僕はアパートへの復路を辿った。
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寒くてもコスモスが |
徒歩五分鬼餅寒(おにもちざむ)の小買物 思考