内山思考
どこまでが大阪の空夾竹桃 思考
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寝たまま撮した正面 |
ラジカセの中のビリー・ホリデイに歌ってもらいながら、陶枕に頭をのっけて昼寝していると、シャラリーン、メールの着信音がした。えーとケータイはどこかいな。持ち上げようとする瞼まだ重く、再びウトウトとまどろむ。夢か妄想かわからぬ映像に薄々と包まれ、これが僕の一番好きな時間だ。ああ極楽。しばらくしてようやく現(うつつ)に戻る気になり、二度三度強くまばたいてからどっこいしょと体を起こした。ここで深呼吸して肢体小休止。
さて何をするのだったか。そうそうケータイだ。肩掛けカバンを引き寄せて取り出すガラケー、相変わらずスマホ知らずで、昔から文明の後方からノコノコついて行くのが性に合うと言うか何というか。発信は岩手の藤沢さんだった。先日送った書籍パックのお礼の返事である。中身は以前に書家の六車明峰さんが書いて下さった僕の句「仏像や骨の如くに雪古び」の色紙と、「北山河俳画集」の二つ。
こないだ色紙の写メを送ったら、句はともかく書体がお気に召した様子だったので貰って頂こうかなと思ったのと、今月になって北さとり「大樹」元主宰のお宅へたびたび伺う機会があり、それは虚子と四Sの寄せ書き掛け軸や、芦田秋双、北山河らの俳画多数を伊丹市の柿衞文庫へ寄贈する為の作業なのだが、もう無いと諦めていた「山河俳画集」が十冊ほど見つかったので、古文書研究が専門の藤沢さんなら楽しんで貰えるのでは、と考えたのである。
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左側、斜めは腹筋台 |