2011年4月3日日曜日

俳枕 江戸から東京へ (14)

佃島界隈/月島
文:山尾かづひろ
石川島灯台


都区次(とくじ):勝鬨橋を渡ると月島です。現在の月島は「もんじゃ焼」で有名です。月島と佃島は一体になっていますが、どこがどう違うのですか?
江戸璃(えどり):佃島自体はそもそもあった島を埋め立てて拡張した島で、月島は明治20年代から行われた浚渫工事で出た土砂を埋め立てて出来た人工の島なのよ。
都区次:明石町より対岸の佃島・月島を見ると和式の灯台が見えますが何ですか?

江戸璃:佃島の北側は造船所で有名だったけど、その前は「鬼平」こと長谷川平蔵の開いた「人足寄場(にんそくよせば)」と呼ばれる犯罪者の更生施設があってね、そこの入所者によって作られた「石川島灯台」で、品川沖を行く船には喜ばれたそうよ。ただし現在見えているのはモニュメントだけどね。
都区次:その「石川」という名前は何ですか?
江戸璃:徳川時代に石川重次という旗本が島の端に屋敷を構えて大変珍しかったので、そう呼ばれたそうよ。

都区次:この月島地区には高層マンションが林立していますが?
江戸璃:幕末以来の石川島播磨重工の大造船所が昭和54年に他の場所に移転したのよ。それが折からのマンションブームで跡地に「おっと来た、おっと北野の天満宮」という具合にニョキニョキと建っちゃったのよ。














佃へと渡る大橋鯊日和     大矢白星
少女等の透ける夏服もんじゃ焼 山尾かづひろ