松澤 龍一
CLIFFORD BROWN and MAX ROACH at Basin Street(Emarcy B14 648-2) |
モダンジャズ期に限定して、史上最強のコンボは何との問いに対し、なんと答えるか考えてみると、ベストスリーに入らないにせよ、次の三つのコンボはベストテンあるいはベストファイブには名前を連ねるものと信じている。その一つは、マックス・ローチとクリフォード・ブラウンのクインテット、二つ目に、マイルス・デヴィスのオリジナルクインテット、そして最後に、どうしてもあげたいのがジョン・コルトレーンとエルヴィン・ジョーンズ(ドラムス)、ジミー・ギャリソン(ベース)とマッコイ・タイナーのクインテットである。
マックス・ローチとクリフォード・ブラウンのクインテットが活躍したのは1950年代、まさにハードバップが花開いた時期であった。マックス・ローチの細やか、かつ音楽性に溢れるドラムスをバックにソロを取るクリフォード・ブラウンのトランペット。中音域を良く生かし、流れるようなメロディーライン、絶妙の間、どれをとってもジャズ的感興を奮い立たせるものであった。
下記音源は In Concert と題されたライブ録音で、バッド・パウエル派のピアニスト、デューク・ジョーダンの作曲したジョルドゥと言う曲が一曲目に入っている。メロディアスな名曲で、この頃のクリフォード・ブラウンにはぴったりとはまる。確か二曲目だったと思うが、I Can’t Get Started と言うスタンダードが入っている。残念ながら、ユーチューブでは見つからなかった、これこそはモダンジャズ史上最高のバラードプレイの一つであると思う。