内山思考
太陽の不思議を食べて葉桜に 思考
小鯖の炙り、今年は少し大きめ |
「うっちゃまさん、今から持ってっかい」K君のケータイから連絡が入った。 注文してあった「小鯖の炙り」がやっと出来たようである。尾鷲の市外、梶賀町のそれもごく一部の人しか作っていなかったこの珍味は、最近ややメジャー(といっても近郊のみ)になり需要に供給が追い付かないことがままあるのだとか。それに今年は漁が少なく、いつもならとうに出回っている時期なのに、タイミングがズレてやっと今になったみたい。
届いた現物をみるとやはり成長して少し大ぶりだったが、旨さに遜色はないだろう。炙りとは小さな鯖を竹串に刺してウバメガシでいぶした燻製。これ一本で丼飯二杯はいける僕にとって待ちかねた季節の味である。今夜が楽しみだ。珍味と言えば先日、和歌山県の串本に行くついでに太地へ寄って「ゴンドの干物」と「テッパ」を買ってきた。分かりやすく言えばゴンドウクジラの干物とたぶん前鰭(手羽?)の薄切りである。
炙って食べる干物は、堅くて真っ黒の上に独特の臭気があるので、慣れてない人は好きになれないかもしれない。テッパはそのまま酢味噌で和えて歯ごたえと風味を楽しむ。僕は小学五年から中学二年まで太地で暮らしていたから、ゴンドをワシワシ噛んでいるとたとえようの無い懐かしさに包まれる。
ヤギとツーショット、 沖縄で |
帰り際、僕はシシ肉を、ヨシミさんはヤギ肉をそれぞれプレゼントするということになり、帰ってから早速冷凍してあったシシ肉を送ったら、来月こちらもヤギ肉を、の電話があったというわけだ。「刺身」が絶品と言われる未知の味ピージャーを、今僕は首を長くして待ちわびている。