2014年3月30日日曜日

俳枕 江戸から東京へ(169)

山手線・日暮里(その69)
根岸(上根岸83番地の家(50)「子規庵」)
文:山尾かづひろ 


東覚寺本堂










都区次(とくじ):前回は三崎(さんさき)坂の大円寺の角を北に入った宗林寺でしたが、今日はどこへ案内してくれますか?

屋根替え手際足技谷中道  小熊秀子

江戸璃(えどり):今回も大矢白星師に案内してもらった場所だけれど、田端駅近くの東覚寺へ行くわよ。門前には赤札まみれの阿吽の仁王像があってね、この「赤紙仁王」は、寛永18年(1641年)に僧・宗海が疫病を鎮めるために建てたといわれる石の金剛力士立像で、病のある場所と同じ部位に赤紙を貼って祈願すると病気が治るといわれ、病気の癒えた人はわらじを奉納するならわしがあるのよ。私も白星師の真似をして阿吽の仁王像の脚に赤札を貼って今後も歩けるように祈願するのよ
都区次:ところで日が暮れてきましたが今日はどこへ行きますか?
江戸璃:東京の桜が開花宣言されたのに寒いわね。銀座の「お多幸」のおでんで熱燗を飲みたくなっちゃった。
都区次:いいですね。行きましょう。


赤紙仁王









下萌や風がうがうと鳴りにけり 長屋璃子(ながやるりこ)
裏町に売る竹細工花三分    山尾かづひろ