内山思考
半熟の冬の太陽浮く朝餉 思考
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僕の投稿文 |
沖縄のヤカブさんから電話があった。「新聞に思考さんのが載ってましたよ」。僕はその意味がすぐわかった。一週間ほど前に沖縄の新聞、琉球新報の「声欄」に投稿をしたからである。いきさつはこうだ。活字好きの僕が、沖縄に行くたびに地元の新聞を読みたがるので、ひろこさんが那覇の自宅でとっている琉球新報を、いつもまとめてとっておいてくれた。ところが今年は、僕と恵子の腎臓移植があって春からずっと那覇のアパートに帰ってない。
「体調が整ったらすぐ戻りますから」電話するたびに沖縄を恋しがる僕を可哀想だと思ったのか、ひろこさんはわざわざ新聞を尾鷲へ郵送する手続きをしてくれた。沖縄では「琉球新報」「沖縄タイムス」の2紙が主流で、僕は滞在中にヤマトの新聞を見かけた記憶はない。新報、タイムスのどちらも沖縄の熱いニュースが満載で甲乙つけがたい。たまたまひろこさんが新報の購読者だったため、僕もその紙面に馴染んでしまったわけである。
中央紙が日本経済の先行きや原発再稼働を大見出しに据える時も、沖縄紙は米軍基地の移設問題、県知事選挙報道がトップで、文化、教育、地方のイベントにも大きくウェイトが置かれている。内容は実に充実している。中でも楽しみは4コマ漫画「がじゅまるファミリー」で、とにかく登場するキャラクターが「世間ずれ」していないし起承転結に嫌みがない。「ほのぼの」などという当世、絶滅危惧語に指定してもいいような感情が見る度に湧いてきて、感動的であったりもする。
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ひろこさんの幼なじみ、 芸達者なたかしさん |