内山思考
秋の山互いに仕事輝かせ 思考
彼は江崎氏受賞の前日に 生まれた |
人と長く付き合うと、何度か同じネタの話にも付き合うことになるのは当然で、内容によっては、悪口や愚痴で無い限り繰り返し聞くのもそんなに嫌なものではない。先日の日本人による二部門のノーベル賞受賞は、もちろん我が家でも心躍るニュースとして話題になったが、いつもノーベル賞話の延長で復活するのが惠子の思い出話である。
彼女が三十代の頃、出張で上京し東京駅のホームで電車を待っていると隣で名刺交換をしている人がいた。何気なく一人の手元に目をやったらその名刺には大きく名前だけが印刷されている。肩書きがあるのが普通なのにこの人は一体誰?あらためて視野をズームインさせると「江崎玲於奈」の文字が見えた。どこかで聞いた名だな・・・、首を傾げながら電車に乗ってやっと「あっノーベル賞の」と気づいたと言うオチである。
江崎玲於奈博士が「半導体内および超伝導体内の各々におけるトンネル効果の実験的発見」で同物理学賞を受賞したのがそれより一昔前の1973年(昭和48)だから、急に思い出さなかったのも無理はないかも知れない。1925年生まれの江崎博士が卒寿を迎えてご健在なのは喜ばしいことである。
昭和三十年代の 最先端家電 |