2011年5月8日日曜日

俳枕 江戸から東京へ(19)

日本橋・銀座界隈/銀座
文 : 山尾かづひろ

銀座












【銀座】
都区次(とくじ):それでは日本橋から東京メトロの銀座線で銀座へ行ってみましょう。 「銀座」とは江戸幕府直轄の銀貨の鋳造・発行所のことだそうです。
江戸璃(えどり): なんと言っても銀座は東京の華に間違いはないわよね。しかし江戸時代には江戸の中心の日本橋から見ると場末的で、これといった所ではなかったのよね。銀座を一躍有名にしたのは明治初期に建てられた煉瓦街なのよ。銀座は明治5年の大火で焼け野原になっちゃって東京府は市街化再開発のチャンスと煉瓦で耐火建築の街を造ったのよ。「ところがギッチョンチョン」元々が埋立地で海に近くて湿気が多く不評だったのよ。そのうち時代をリードする新聞社などのマスコミが軒を構えるようになり、東京を代表する繁華街に変身したのよ。
都区次: 銀座といえば4丁目の交叉点ですが、江戸璃さんの取って置きの話はありますか?
江戸璃:あるわよ。戦前、築地行きの市電が数寄屋橋を渡ると車掌が「次は銀座4丁目、尾張町でございます」と知らせたのよ。これは慶長年間(1596~1615)銀座埋立の折、銀座の中心を尾張藩が担当したので、尾張町と名付けられたのよ。明治になっても「尾張町」の方が通りが良くって戦前までそう呼んでたわね。


雛あられ銀座に買ひし家路かな 長屋璃子(ながやるりこ)
礼拝の銀座の教会鳥渡る      山尾かづひろ