2012年7月15日日曜日

俳枕 江戸から東京へ(80)

愛宕山の周辺(その2)西久保八幡
文:山尾かづひろ

 
西大久保八幡









都区次(とくじ): 次は西久保八幡へ行ってみましょう。
江戸璃(えどり): 場所は神谷町駅の反対側だから、いま来た道を戻るわよ。西久保八幡は平安時代の寛弘年間(1004~1012)に京都の石清水八幡(いわしみずはちまん)の神霊を請じて霞が関あたりに創建されて、長禄元年(1457)太田道灌の江戸城築城に際して当地へ遷座されたのよ。
都区次: 徳川家康の江戸入府後に何か変化はありましたか?
江戸璃: 元々は神社ではあるけれど、徳川の菩提寺の東叡山寛永寺の末寺になっちゃったのよ。その後、明治維新の神仏分離令で神社として独立したのよ。


御社の縁起読み入る梅雨晴間 小熊秀子


都区次:この神社には貝塚があるそうですね。
江戸璃:社殿の裏手の斜面にあるのよ。ここの貝塚は戦前から知られていたけれど、昭和58年に東京都が発掘した結果、縄文時代後半期半ばの3700年くらい前ものと分ったそうよ。有名な大森貝塚と共通の土器もあって交流が推定されているそうよ。


男坂女坂












まくなぎを打ち払ひつつ貝塚へ 長屋璃子(ながやるりこ)
梅雨鴉貝塚へ降り睨みけり   山尾かづひろ