2012年10月21日日曜日

私のジャズ(94)

ジャンゴ
松澤 龍一

DJANGOLOGY 
(Bluebird BVCJ-37930)












ジャンゴ、ジャンゴ・ラインハルトはヨーロッパで活躍したジャズギタリストである。名前は知っているがほとんど聴いていない。近くの図書館で偶々見つけたCDを二枚借りてきた。一つは THE BEST OF DJANGO REINNHARDT 、もう一つが DJANGOLOGY  と言うオムニバスのアルバムである。

いずれもほとんどの曲に、ジャズのバイオリニストのステファン・グラッペリが付きあっており、サックスとかトランペットのようなジャズの古典的な楽器は使われていない。どこかジャズと違う感じがする。ギター、それもアコースティックギターとバイオリンのような組み合わせから来るものなのか。ジャズを聴いている気がしない。ジャンゴのギターはどう聴いてもクロード・チアリを連想してしまう。



ジャンゴはジプシーの出身である。彼の心にはヨーロッパ大陸を放浪するロマの血が流れている。   ヨーロッパ各地を渡り歩き、その地その地の固有の文化をにかわのように結び付けているロマの血が。すると、これはロマの音調かも知れない。アメリカ大陸の黒人のブルースの音調は希薄である。いわゆるジャズに聞こえないのも不思議はない。その人が心の底に持っている固有の民族的音調、音律が他の民族的音調、音律に触れてスパークしたのがジャズとすれば、これも立派なジャズであろう。

アメリカ大陸の黒人たちにもジャンゴは敬愛されていた。彼が死んだとき作られたのが「ジャンゴ」と言う曲で、MJQの演奏で有名である。ジャンゴと言う名はギタリストしてより、このMJQの演奏する曲名として知られていたような気がする。